あと3週間足らずで「G8北海道洞爺湖サミット」が開かれます。今日は、北海道チャイナワークの隣にある北海道大学で、燃料電池バスに試乗してきました。
「燃料電池」とは何かというと、水素(H)と酸素(O)が合わさって、水(H2O)ができる時に同時に発生する電気をエネルギーにするもので、まったく二酸化炭素(CO2)を発生させない究極の環境技術と言われるものです。

2005年の「愛知万博」で使われた燃料電池バスが、北海道洞爺湖サミットでデモンストレーションをするためにと、はるばる船に乗って北海道にやってきました。

屋根上に7本の高圧水素タンクを積んで、後ろの給気口から空気を取り込み、水素と酸素を結合させます。そこで発生する水は、ぽたぽたと地面に跡を残します。技術的な課題は寒冷地の冬には水が凍ってしまうことだったそうですが、北海道で今冬試験をして、その問題も概ねクリアしたとのことでした。
ただし、これから市販するとすれば、1台あたり相当高いものになってしまうのと、水素ステーションをあちこちに作らなくてはいけないので、日本で普及させるには、「いろいろな社会的な課題がまだまだたくさん残っている」とトヨタの関係者は話していました。
写真のバスはトヨタの「自家用車」。白ナンバーなので、営業運転はできません。8台があるそうですが、開発費を考えると1台あたり数十億円もする「超高級車」。日野自動車の「
ブルーリボンシティ」をベースに作られたもので、エンジンをかけても、走り出してもほとんど振動がありません。

北大構内を10分程度のドライブしましたが、自転車置き場でUターンしようとしても、ほとんど周りの人が気付かないほど静かな走りっぷりでした。
中国も「2008北京オリンピック」を前に環境技術をアピールしたいところですが、すでに燃料電池バスが北京や上海を走り始めています。
上海神力科技有限公司という会社があります。ここは1998年にできた燃料電池専門の会社ですが、「神力1号(写真)」というバスの車両と燃料電池システムの両方の設計を自社で行い、生産コストを1/3に下げ、商品化されて、販売されています。1台の価格は300万元(約4,500万円)で、普通のバスの5倍の価格。ただし、課題は燃料電池の寿命が、10万キロメートル程度と、まだまだ改良の余地はいろいろありそうです。
オリンピックの選手村では5台の「神力1号」が活躍するそうですが、上海でも10台程度が路線バスとして、実証運転に供されます。
このほかに、申沃(=上海ボルボ)客車有限公司が、軽油の代わりにジメチルエーテル(DME)を使うバスの生産も進めており、2010年の上海万博会では、会場シャトルバスと周辺の公共交通バスがほとんど新エネルギーバスになるとのことです。
「G8北海道洞爺湖サミット」と「2008北京オリンピック」の2つの世界的な大イベントを通して、環境技術のアピール合戦も盛り上がりを見せてきました。