すこし硬い話題ですが、先日、
富士通総研の主席研究員・柯隆(か りゅう)さんの講演を聞く機会がありました。
柯隆さんは、知る人ぞ知る日本での中国経済研究の第一人者ですが、流暢な日本語で、「1.今の中国はどうなっているか」、「2.チャイナリスクをどう捉えるか」についてお話されました。
1つめの「今の中国はどうなっているか」については、ニュースでも、話題でもよく出てくるテーマです。ものすごく漠然としていて、なかなか明快な答えが出てくることは少ないですが、さすがは専門家。上手くまとめられました。
まず、毎日のように流れる中国ニュースが氾濫しているにも関わらず、漠然としている理由として、「中国は大きすぎる」「あまりに地域によって状況が違いすぎる」という解説から始まりました。これは、ものすごく当然のようですが、日本での捉え方は中国全体をひとくくりにした分析が多いなか、考え方のひとつのヒントになるような気がします。
2つめのチャイナリスクをどう捉えるかという問題について、今起こっている株式や不動産価値の下落は、成長率が8%程度の、いわば「ミニ不況」でしょう。2010年の上海万博に向けて10%くらいの成長があって、胡錦濤政権が区切りを迎える2012年頃、現在のビッグプロジェクトが終わり、大きな転換点になるという分析でした。
今は成長のスピードが早い人と遅い人が、一緒に頑張っている状況ですが、2012年頃、一人当たりのGDP平均が3500ドルを超えると、成長のスピードが遅い低所得者層があきらめはじめることによって大混乱が発生し、これがチャイナリスクになるだろうと話しています。
ところで現在、中国に進出している日本企業は2万5千社。関連企業も含めると4万社があり、中国と日本の関係はすでに切っても切れないものになっています。ビジネスがやりにくいと言っても、国民性の違うもの同士、人材をどう生かしていくかが大きな課題となっています。
柯隆さんはこう分析します。「日本人はサッカーのようなチームワークを生かしたプレーが得意。中国人はゴールキーパー含めて、みんながシュートして手柄を上げたいので、カバーが弱い。逆に卓球のような個人プレーは得意です。こういう特徴をビジネスに反映させると良い。ただし、バレーボールは強いんです。バレーボールはセッターがいないと打ち込めない。日本人と中国人でチームワークの良さと個人プレーの良さを両方生かしたビジネスのやり方を探すべきではないでしょうか。」