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4月18日から全6回の予定で放送中のNHK土曜ドラマ 「遥かなる絆(きずな)」が5月23日の放送で最終回を迎えます。
このドラマは日中国交回復前の1970年、自力で日本への帰国を果たした残留孤児の父と、その後中国に留学した娘の実話をもとにした物語です。
上に掲載したイメージタイトルの映像には、『―「大地の子」から14年。』というキャッチコピーがあります。以前、NHKで「大地の子」(山崎豊子原作)というテレビドラマ放送され、中国残留孤児・陸一心の波乱万丈の半生が物語として描かれ、今回の『遥かなる絆』と同じ制作プロデューサー・小松昌代さん、脚本家・吉田紀子さんによって作られました。
「遥かなる絆」の原作者は、城戸久枝(きど・ひさえ)さん。1976年生まれで1997年に長春に留学。その時の体験をもとに著した『あの戦争から遠く離れて―私につながる歴史をたどる旅』がドラマのもとになっています。この本は、第39回 大宅壮一ノンフィクション賞、第30回 講談社ノンフィクション賞、2008年 黒田清JCJ新人賞を最年少で受賞しました。
■ 著者 城戸久枝さんの言葉: 情報センター出版局のページへリンク
■ 編集者の言葉: ほぼ日刊イトイ新聞/「担当編集者は知っている」(2007年8月31日)へリンク
また、このドラマの放送に合わせて、お父さん・城戸幹さんが著した『「孫玉福(スンユイフー)」39年目の真実 あの戦争から遠く離れて外伝』も出版されました(情報センター出版局のページへリンク)。
ドラマ「遥かなる絆」の専用サイトにもみどころが詳しく書かれておりますが、私は日本の俳優が話す中国語の発音が、前作の「大地の子」よりも上手だなあという印象を受けました。長くこのブログの更新が止まってしまいましたが、今回あらためてこのドラマについて調べ始めたところ、制作プロデューサーの小松昌代さんからエピソードを伺うことができましたので、以下ご紹介します。
【主演の鈴木杏さんの中国語について】
「主演の久枝役を演じた鈴木杏さんは中国語を話す役は初めてで、先生に吹き込んでもらったCDを聞き、レッスンを重ねながら必死で暗記しました。撮影は1回から順番に行われるわけではないので、あまりに流暢に台詞を話し、『これは第2回だからもっとたどたどしく』などの指摘にやり直したりと苦労をしていましたが、撮影現場に見学にみえた城戸久枝さんからは、『勉強している人の中国語にきちんとなっている』と太鼓判を押されていました。」
【中国ロケについて】
「オリンピックを控えた2008年7月、中国東北地方の牡丹江市と長春市へシナリオハンティングへ出発。城戸幹さんが養父母に引き取られて、実際に生活した頭道河子村(現在の頭道村・牡丹江市より車で1時間)などを訪ねました。この時のロケ候補地が、次にオリンピック後の9月に再度ロケーションハンティングとして訪問した時に開発のため既に取り壊されていて慌てたこともありました。」
「幹さんが当時暮らしたのは頭道河子と牡丹江市で、娘の久枝さんが留学したのは長春市の吉林大学でした。ロケ場所もこの3箇所で探し、吉林大学は実際に校内での撮影をお願いしています。『大地の子』でも長春やそこから1時間弱の范家屯などでも撮影をしましたが、前回のロケから15年が経ち、その変化に驚かされるばかりでした。」
「実際の撮影は10月に少々と、メインの撮影は12月。マイナス15度から20度という極寒でのロケになりました。10月の牡丹江から長春へは3段寝台の夜行列車(硬臥車)で移動。エンドタイトルの車窓はその時に撮影したものです。12月は膨大な機材や美術セットを運ぶため、高速道路をゆっくりとキャラバンで車両移動をしました。」
【「大地の子」と「遥かなる絆」について】
「『大地の子』は壮大なフィクションですし、陸一心という一人の男性の壮絶な人生が描かれました。『遥かなる絆』はもちろんドラマ上の創作もしていますが、基になっているのは本当の話です。実在の城戸幹さん、奥様の陵子さん、久枝さんに何度もお会いし、脚本もお読みいただいて、その時々のお気持ちには間違いのないようにと、その事を念頭に作業を進めました。」
「そして、20代の戦争を知らない娘の視点から描いたところが何よりも『大地の子』との違いであると思います。お父さんの歩いてきた人生には様々な事があり、それは想像を絶するものであるけれど、久枝さん自身も中国での生活の中で色々な事柄にぶつかります。何よりも大切なのは、父の過去から、その信念や人の真心を久枝が素直に受け取ることだと思っています。そういう意味では『遥かなる絆』はホームドラマと言えるかもしれません。」
「『大地の子』は中国中央電視台(CCTV)の全面協力で中国各地で撮影を行いました。今回の『遥かなる絆』は上海のコーディネーター・通訳チーム・美術スタッフと、現地長春、牡丹江のスタッフ、車両などは撮影の経験がない現地のドライバー(普段は観光ドライバー)、そして日本からの制作・演出・美術・技術スタッフが混在して行いました。いわば『民間力』を使った点が前作と異なります。その意味でもホームドラマにふさわしいチームで制作したと言えるかもしれません。」
■ NHK土曜ドラマ「遥(はる)かなる絆(きずな)」(連続6回)
原作:城戸久枝「あの戦争から遠くはなれて~私につながる歴史をたどる旅」 脚本:吉田紀子 音楽:渡辺俊幸 挿入歌:一江ウタカ「植樹歌」(原作者城戸久枝さんの実姉で、幼い頃からお父様の城戸幹さんから聞かされていた中国の歌を歌われました) このドラマは事実を基に、取材を重ねて脚色したものです。 演出:岡崎栄、石塚嘉
■番組オフィシャルホームページ:
http://www.nhk.or.jp/dodra/harukanaru/index.html
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2009年5月20日 矢野友宏 | 個別ページ
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