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この変な卵、皮蛋(ピータン) 2/2

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実はこの記事、2回に分かれています。これは後半です。

ぜひ先に「この変な卵、皮蛋(ピータン) 1/2」を先に読んでくださいー

この記事の下にありますよ  ↓  ↓

 

 

-おまけの豆知識-

・皮蛋の旨味の元は何か?

普通の新鮮な卵よりずっと旨味が増している皮蛋。この旨味の元は、アミノ酸。卵には元々蛋白質が豊富に含まれているのですが、それがアルカリによってペプチドや、更にはアミノ酸にまで分解されます。「味の素」の主成分がグルタミン酸塩であることに見られるように、ヒトはアミノ酸を旨味として認識します。このアミノ酸の含量が増えるのだから、そりゃ旨くもなりますよね。蛋白質→アミノ酸という分解過程を経て旨味を増すというのはアジア圏では古くから一般的に行われている加工であり、醤油、味噌、納豆、魚醤、腐乳、シュールストレミングなどすべてにこの過程が含まれます(ここに挙げたものはすべて微生物の産生するプロテアーゼによって蛋白質を壊しているもので、アルカリによって蛋白変性を起こしている皮蛋とは別物ですが)。

・刺激臭の原因は?

あのにおいの元となっているのは微量の硫化水素とアンモニア。まず硫化水素ですが、卵の蛋白質にはメチオニン、システインといった含硫アミノ酸が多く含まれています。これらが強アルカリという分子の安定性にとって過酷な条件に曝されることで分解し、硫化水素を遊離するというわけです。次にアンモニアについて、これもすべてのアミノ酸に含まれるアミノ基が遊離してできたものです。酵素や酸による処理ではせいぜいペプチド結合が切られてアミノ酸が生成するだけなのですが、アルカリではアミノ酸自体が更に分解されてしまうんですね。

・皮蛋は発酵食品なのか?

どうなんでしょう?ちょっと調べることができなかったのですが・・・ 例えば納豆を作っているBacillus subtilisなどは皮蛋から分離されなかったという研究結果があるそうです。あんな強アルカリ環境下では(pH12以上、らしいです)やはり微生物も暮らしにくいのでしょう。それで、微生物の代謝産物にほぼ頼っていないということは発酵食品ではなさそうですね。原理はほぼ同じなんですけどね。

・アルカリ供給源

前回の記事で皮蛋は卵を石灰や木灰で包んで作られると書いたのですが、現代では工業的には炭酸ナトリウムを使っていると思われます。その方が原料も手に入りやすい上に品質も均一で、より短時間で熟成が進みますもんね。それにしてもアミノ酸までをも分解するアルカリ、なぜそこまで強力なのか?どうやら化学反応で水酸化ナトリウムが発生しているようです。詳しいことはよくわからないのですが、炭酸ナトリウム・水と卵表面を覆う漬け込み材料中の炭酸カルシウムが反応しているそうです。

 

ちょっと長くなりました。皮蛋ひとつからこんなに色んなことが見えてくるんですね。さすが中国、奥が深い!

2009年6月18日 塚崎翔太 |

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