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No.10 留学資金を何とかしよう

7年前のちょうど今時期、語学教室での勉強を続けながら留学を意識し始めていた私は、資金のことを考えて慌て始めました。

 

あと1年くらい働いてもうちょっとお金が溜まってからにしよう、と計画していた私に周りの中国人の友人たちが「1年後じゃ遅い!お金を借りてでも今行くの!」「そんなこと言っていたらいつまでたっても行けないよ!」「数年後には中国語を話せる人がきっといっぱいになるよ!」

と熱く説得され、「その通りかもしれない!」と中国留学を決意。

 

目的と期限が決まると頑張れるもので、日中はフルタイムの大学事務のパート、出勤前の早朝400から運送会社の仕分けのアルバイトも年末年始の短期間だけ並行して行っていました。

 

真冬の工場はシャッターが開け放たれ、雪も吹き込む環境だったため、何枚も何枚も厚着をしてマフラーぐるぐる巻き、マスクに毛糸の帽子を深く被っているので、どの人も目だけが出ているまるまるとした雪だるまのようになっていました。

その作業場に、いつも威張ってアルバイトを怒鳴ってばかりいる男性の社員がいました。

 

家に帰って着替えて朝食を取った後、すぐに大学の仕事へ行きます。

その大学が管轄らしく出入りしていたのが、その日の朝も怒鳴り散らしていたあの社員のお兄さんで、大学の事務室で鉢合わせしました。

私は「あ!お疲れ様です!」と朝と同じように挨拶しました。

相手は全く私に気付かず満面の笑みでやさしいのです。

 

お兄さんもまさか工場で作業している雪だるまとスーツでパソコンをカチカチたたいている人物が同一人物とは思わないでしょう。

 

その掛け持ちバイトは思いのほか人生勉強になったのでした。

2009年11月24日 川村 さちえ |

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